
dawning 北海道 根室市フレシマ湿原
「寒い地域は寒い季節が一番美しい」といいます。確かに厳寒期の北海道・東北には研ぎ澄まされたような美しさがあり、その美しさに魅せられて、どうしても撮影を冬に集中させてしまいます。2月は正に冬季撮影の真骨頂、気合が入ります。
特に美しいのが朝・夕の光。日の出・日没時には他の季節では見られない色合いになります。風景写真は余り撮らない私ですが、道東の圧倒させるような荘厳な日の出を見ると思わずシャッターを切ってしまいます。後で「ここに馬(もしくは鶴)が居れば・・・」と思うのですが・・・。
ただ、早朝撮影の為には少なくとも日の出1時間以上前には撮影地に入ってカメラを準備しておく必要があり、人気のある撮影ポイント(鶴居村の音羽橋や伊藤サンクチュアリなど)では場所取り合戦が日付の変わる頃から始まります。

朝光 北海道鶴居村伊藤サンクチュアリ
一方、馬の撮影はまず前日に「馬の寝場所」を確認しておくことが肝心。青森の寒立馬はねぐらが決まっているので楽ですが、道東の自然放牧の馬の場合はねぐらが数箇所あり、その日その日で移動してしまうので、夜明け前のまだ真っ暗な中を昨日最後に見かけた場所から近いねぐらを目指します。外れの場合は、そのままどこにいるのか判らない群れを探してさすらい、夜明けまでに上手く見つかれば上々。見つからない場合はそれで終了!です。朝5時から探し出し、日も高くなった9時頃ようやく馬たちをハケーンすることも・・・・。群れのボスにGPS携帯でも持たせようかと本気で考えたこともありました。
夏は夏で、日の出前朝3時頃から夕方遅くまで明るさが続くので撮影に追われ、撮影旅行中の睡眠時間は3時間ほどになってしまいます。さすがに昼間車の中で仮眠を取っておかないと、車の運転にも差支えるし、旅行から帰ってからやばいことになります。それに睡眠不足で右目の焦点が合わなくなり、ピンボケ続出だったり・・・。大体旅行3日目位から辛くなってきます。
そんな時はプッチーニのオペラ『トゥーランドット』の有名なアリア「誰も寝てはならぬ」を、宿から撮影地へ向かう車のBGMにしてモチベーションを高めます。そのために歌い手違い、アレンジ違いの数ヴァージョン入りの編集CDを用意してカーステレオに入れ、様々なアプローチで「誰も寝てはならぬ」と言ってもらいます。
このアリア、3大テノールのパヴァロッティが今回のトリノ五輪開会式のクライマックスで歌い、女子フィギュアスケートの荒川選手のフリーの演技曲にはヴァネッサ・メイのヴァイオリンアレンジが使われています。今晩は「誰も寝てはならぬ」ってことでしょうか?

